

「今日はね、リフォームで一度は予算オーバーの壁にぶつかった、あるご家族に会いに来たんだ。どんなふうに乗り越えたのか、じっくり聞いてきたよ」
今日お邪魔したのは、築20年の中古マンションをリノベーションしたご家族です。
- アヤさん(30代・ママ):リビングと水回りのプラン担当。ショールーム巡りが趣味になった
- 夫さん(40代・パパ):数字とスケジュール管理が得意。見積書を隅々までチェックするタイプ
- 姉ちゃん(小学生):自分の部屋のドアの色にこだわりあり
- 弟くん(年少):工事現場の音と道具が気になって仕方ない
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見積もりを見て、正直固まりました

「最初にもらった見積もり、思っていたより一段階上の金額で……。何にそんなにお金がかかっているのか、正直よくわからなかったんです」

「僕は明細を見て『このグレード、本当に必要?』って聞いてしまいました(笑)。責めたわけじゃないんですけど」
「これ、実はどのご家庭でもよく聞く話なんだ。理想を詰め込んでいくと、気づいたら予算をオーバーしていた、というのはリノベあるあるなんだよね」

そこでアヤさん夫婦がリノベ部の担当者に相談して教えてもらったのが、次の3つの視点だったそうです。

「削る」のではなく「選び直す」。教えてもらった3つの視点
① 本当にそのグレード、必要?

「食洗機、海外製のかっこいいものに憧れていたんです。担当さんに『普段どんな使い方をしますか?』って聞かれて、はっとしました」
ショールームでは、目立つ場所ほど上位グレードの設備が並んでいます。見ているうちに気持ちが上がっていくのは自然なことですが、担当者が必ず聞くのは「その機能を、日常のどんな場面で使いますか?」という一言です。

「僕らの場合、庫内のサイズと静音性さえ確保できれば十分だとわかって、ワングレード下げました。正直、暮らしてみて不満は一切ないです」
チェックポイント
- そのグレードでしか実現できない機能かどうか
- 型落ちモデルやアウトレット品で代用できないか
- 部位ごとに得意なメーカーを選び、グレードを一律で揃えない
② 「触らない部屋」を決める
「姉ちゃんの部屋、実はほとんど手を入れていないんだよね?」


「うん!ドアの色だけ変えてもらった。壁とか床はそのまま」

「収納も壁も状態が良かったので、その部屋はほぼ現状維持にしたんです。解体しない分、そこだけでかなり費用が抑えられたと聞きました」
フルリノベーションというと「全部スケルトンにして一新する」イメージを持たれがちですが、状態の良い部屋や壁、天井を残すことで、解体費・造作費をまとめて圧縮できるケースは少なくありません。

「生活の中心になるリビングとキッチンに予算を集中させて、それ以外は必要な分だけ手を入れる。メリハリをつける感覚に近かったです」
③ 自分たちで手配してみる、という選択肢

「あのね、キッチンの箱、パパが宅配便で受け取ってた!」

「照明とタオルバーなど、いくつかの設備は自分たちでネット注文して、取り付けだけお願いしました。いわゆる『施主支給』というやつですね」
見積書に含まれる設備費用には、施工会社の仕入れ差益が含まれています。
設備や内装材を自分で調達し、施工のみを依頼することでコストを抑えられる場合がありますが、担当者からは事前にいくつか注意点を伝えられたそうです。

「『これは保証の対象外になります』『納品日は必ず立ち会ってください』って、最初にはっきり言われました。正直、手間はゼロじゃないです」
- 施主支給した設備に不具合が起きた場合、施工会社の保証対象外になるのが一般的
- 施工会社経由の決済でないため、リフォームローンの対象外になることがある
- 発注から納品まで、日程調整・検品・不良品対応を自分たちで担う必要がある
- 食洗機本体や床暖房、配管・配線が複雑な設備は施主支給に不向き

「うちは照明やタオルバーみたいな、取り付けが単純なものだけにしました。キッチン本体は担当さんにお任せして正解だったと思います」
「『安くなりそうだから』で全部やろうとせず、対象になる品目を担当者と早めにすり合わせるのがコツみたいだね」


3つの視点、まとめてみると
| 視点 | コストダウン効果 | 手間 | 向いているケース |
|---|---|---|---|
| ①グレードの見直し | 中 | 小 | 機能より価格を優先したい設備がある場合 |
| ②触らない部屋を決める | 大 | 小〜中 | 状態の良い部屋・壁が一部残せる場合 |
| ③施主支給 | 大(品目による) | 大 | 時間に余裕があり、対象品目が単純な商材の場合 |
※効果や手間の大きさは一般的な傾向です。実際の金額や条件は物件や施工会社によって異なります。
「削った」というより、「選び直した」感覚

「振り返ってみると、我慢したという感覚はあまりなくて。むしろ、何が自分たちにとって本当に大事なのか、家族で話し合うきっかけになりました」

「予算がオーバーした時点で終わりじゃなくて、そこからが本当の意味でのプラン作りだったのかもしれません」

「わたしはドアの色、お気に入りだから満足!」

「ぼくは工事の音、かっこよかった!」
「予算がすべて理想通りにいくご家庭は、実はそう多くないんだ。
大事なのは『削る』ことじゃなくて、『今の暮らしにとって何が一番大事か』を一緒に選び直すこと。今日はこんな話を聞いてきたよ。
それじゃあ、また次のお家にお邪魔してくるね」

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本記事は取材にもとづく体験談です。価格や制度に関する情報は変動するため、実際に検討される際は最新の状況を各施工会社にご確認ください。